予防獣医学、アニマルシェルター、獣医疫学を専門とし、動物治療の臨床現場からペット防災の啓蒙まで、多岐に渡りご活動されている帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 准教授 山本和弘先生。
足立区と協働で、飼育から防災までを網羅したペット手帳を企画編集し、人とペットの安全を守る取り組みを推進されています。

この度、LEONIMALはペットの防災を楽しく学ぶ「カードゲーム いっしょに逃げてもいいのかな?」のプレイ体験会を山本先生の授業で開催するとともに、先生のご活動についてインタビューさせていただきました。
いのちの現場に立つ山本先生の情熱と行動力の源泉に迫ります。


山本先生が教鞭をとられている帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科では、動物看護、アニマルサイエンス、アニマルセラピーなど、動物にかかわる仕事を志す学生さんたちが学んでいます。
授業内でのカードゲーム体験会の参加者のうち、9割がペットを飼育しており、動物の命と日々接しているからこそのゲーム内でのやりとりに、我々も気づきが多くありました。

防災の意識と取り組みを次世代に伝える。山本先生が防災にかける想いを伺いました。


カードゲームを体験する学生さんたち

LEONIMAL(以下 LEO):
カードゲームを体験いただいた学生の皆さん、さすがに若く、しかも動物について学んでいるだけあって、ルールも主旨もあっという間に理解いただけて驚きました。

山本先生(以下 山本):
私たちの使命は、まさに彼らのような次の世代に「命を守る防災」を伝えていくことですね。カードゲームはきっかけづくりのツールとして最適だと感じます。楽しく遊びながら自然に防災の知識を植え付けていく仕掛けになっていますね。

LEO:
山本先生が企画制作に携わられた「ペット手帳」、最初に展示会でいただいた時は飼育から防災まで1冊で網羅されていて感動しました。
漢字には全てルビがふってあって、子供や外国人の方々でも安心ですね。
実はこの手帳、内容がとても濃いのに版権フリーにされているとか。

山本:
そうなんです。防災の知識を持つ人が増えていくことが、社会にとって何より大切だと考えているので版権はフリーにしました。
他の区でも、また全国でも活用いただきたいと願っていますし、台東区とも取り組みを進めています。
ペットの基本情報から通院している病院も記録でき、飼育と防災の知識がまとめてあり、お薬が入るポケットもつけて、これ1冊で日常生活から避難生活まで網羅できるように工夫しました。


山本先生が監修された足立区のペット手帳

LEO:
まさしく防災を次につなげる、横に展開する、ですね。災害に対して、大切な心構え、普段からできることは何だと思われますか。

山本:
第一に、災害とは「想定外」であると認識することですね。そもそも想定できる範囲の事象であれば、災害にはなりません。
まずは日常生活のルーチンに備えの行動を採り入れることをオススメします。私はよく、備蓄品のちょっと買いを行っています。スーパーに買い物に行ったら、缶詰とか、何か一つ備蓄品となりそうなものを買う。必然的に家にある在庫をチェックして消費期限が近いものから使うようになりますし、備蓄ロスも減らせます。

LEO:
災害時の行動において、重要なことは何でしょうか。

山本:
災害にあたっては自分の命をまず守っていただきたい。命あってこそ、身近な人や動物たちの命を守る行動ができます。

LEO:
自分の命をしっかり確保し、目の前の命に向き合う。全ての人がそれを行えば、人と動物が死なない防災を実現できますね。

山本:
人はその命をどう使うか、が重要だと思っています。なぜ生きるのか、何のために生きるのか、どう生きるのか。自分にとっては防災、命を守る行動について次の世代に丁寧に伝えることに命を使っていきたいです。


■山本先生インタビュー第1回はこちら
https://leonimal.aisocial.jp/dr-yamamoto_01/

■山本先生インタビュー第2回はこちら
https://leonimal.aisocial.jp/dr-yamamoto_02/


【Profile】
山本 和弘 やまもと・かずひろ 帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 准教授

1991年3月 日本獣医生命科学大学卒業。日本獣医生命科学大学 獣医学科 公衆衛生学教室 助手を経て、カリフォルニア大学デイビス校 卒後研究員。1996年6月 Master of Preventive Veterinary Medicine (獣医予防医学修士) School of Veterinary Medicine, University of California, Davis 卒業。2002年6月 Ph.D. 獣医博士課程 School of Veterinary Medicine, University of California, Davis 卒業。
国際NGO, Japan International Food for the Hungry 奉職、大阪府内の動物病院にて勤務医を経て現職。専門分野は予防獣医学、アニマルシェルターメディシン、獣医疫学、人畜共通感染症、公衆衛生。