ゆーないとさんのお宅には、オス猫の牛ちゃんと、メス猫のミッツちゃんの2匹が暮らしています。
2匹とも、東日本大震災の時に福島から引き取られた保護猫。
ゆーないとさんと2匹とのご縁、一緒に暮らす日々についてお伺いしてきました。

お昼寝していたオス猫の牛ちゃんですが、すぐに人懐こい表情を見せてくれました。


itoi_column_photo_13

LEONIMAL(以下 LE):牛ちゃん、ミッツちゃんと暮らし始めて、何年になりますか?

ほぼ日・ゆーないとさん(以下 ゆーないと):2011年の震災以来ですので、もう5年になりますね。
2匹とも福島で保護した猫です。震災発生以降、動物愛護団体のランコントレ・ミグノンさんが毎週のように福島に通って、飼い主さんとはぐれてしまった動物を保護していまして。そこを通じて、まず牛と別の猫と2匹を預かりました。保護する際に、おうちに「東京で保護していますので、見たらお知らせください」と張り紙をしていき、それを見た飼い主さんから連絡が入るようになっていました。

LE:牛ちゃんの飼い主さんからもご連絡があったのですか。

ゆーないと:8月に連絡が来ました。中年女性の方で、本当に猫を愛していて、東京にも会いに来られました。秋にようやく、ペットを飼える仮設住宅に住めることが決まり、いったん2匹とも戻したのですが、牛の方が尿道結石を患ってしまいまして・・・。飼い主さんは他にも何匹も飼われている方だったし、えさの種類を普通のものとは分けなくてはいけない病気なので、大変そうだからもしよければ、と牛だけ私が東京で飼うことになりました。

LE:ミッツちゃんの方はどのような経緯だったのですか?

ゆーないと:
ミッツは牛農家で飼われていた猫です。飼い主さんが、やはり福島では飼えなくなってしまい、引き取ることにしました。

itoi_column_photo_12


LE:
それぞれ、苦難を乗り越えてゆーないとさんのもとに来られたんですね・・・現地のご苦労がしのばれます。

ゆーないと:
飼い主さんにとっても、苦渋の選択だったと思います。この度の熊本地震でも自治体は被災動物の処分はしない、と早々に宣言したそうですが、飼育環境を整えるのは大変なようです。

itoi_column_photo_11

LE:2匹の関係性はいかがですか?

ゆーないと:
ゆるいルームメイトですね。寒ければ暖を求めて一緒に固まっていますが、普段は適度にドライです。牛の方は多頭飼いの環境で他の猫と関わるのに慣れていますが、ミッツはそうではなかったようで。よく牛がミッツに毛づくろいを試みて、怒られています(笑)。


img_0906%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

LE:それぞれに性格が違って面白いですね。

ゆーないと:
本当に。見ていると飽きないです。

LE:これまでも動物を飼われていたのですか?

ゆーないと:子供のころはシーズーを飼っていました。犬も大好きなんです。猫は高校時代にアレルギーを発症してしまって、縁がないかなと思っていたのですが。ずっと動物は好きで、一人暮らしをした期間は住居環境で制限もあり、なかなか飼えなかったのですが、会社の近所の子猫を保護して避妊去勢手術をして、里親を募集する活動をする中で、徐々に猫との縁が深まってきました。

itoi_column_photo_10

LE:猫アレルギーは大丈夫ですか?

ゆーないと:
それが、猫と触れているうちにアレルギーが出なくなりまして。正確には、猫でも個体それぞれに対して免疫ができるというか。

LE:そういうことがあるんですね?!初めて聞きました・・・。

ゆーないと:そうなんです。自分でも不思議なんですが(笑)。出張で何日か留守にすると、戻ってきてすぐはアレルギーが出るのですが、2、3日くらいで治まってしまうんです。逆に犬は犬種によってアレルギーを起こすようになりました。

LE:
本当に不思議ですね・・・。猫と犬、それぞれとの暮らしで感じる違いはありますか?

ゆーないと:犬はとても愛情深い動物で、そこが魅力だと思います。猫はドライなところが私には新鮮で、面白いです。それぞれに良さがあります。今は猫と縁が深いですが、いつかまた、犬も飼いたいです。

itoi_column_photo_09

LE:GRAMP、牛ちゃんとミッツちゃんのバッヂも付けていただき、ありがとうございます。

itoi_column_photo_08

ゆーないと:牛は割とすんなり入ってくれます。住居機能もついているのは良いですね。

itoi_column_photo_07

itoi_column_photo_06

LE:ペットの防災に対してはどのように考えられていますか?

ゆーないと:万一、東京で災害が起きた場合、それが外出時だったら・・・と考えると心配は尽きないです。自宅に戻ってきて、探して、キャリーバッグに入れて、避難先や手段はどうするか。ハーネスも買ってみましたが、うちの子たちは合いませんでした。逆に合う子もたくさんいると思いますし、ペットそれぞれの性格によって、最適な手段は異なるでしょうね。練習も大事と聞きます。
キャリーバッグを持つことは、備えにはなると思います。いざという時に何とかできるという気持ちの備えにもなりそうですね。

LE:ほぼ日さんでは、ペットの防災に役立つアプリを開発されたとか。

ゆーないと:「ドコノコ」というアプリです。ペットそれぞれを近くの避難所と結び付けて住所登録をするようなイメージです。エリア内で登録している他の猫・犬のアカウントもお互いに見ることができるので、万一迷子になった場合や飼い主さんがすぐ家に戻れない場合のセーフティネットの役割も期待できるかもしれません。あと地域猫のお世話にも役立つと思います。自分の他にも面倒を見ている人がいるのが分かったり。

itoi_column_photo_02

LE:地域全体で動物を見守る、コミュニティ形成のツールとして有効ですね!

ゆーないと:やはり、災害時はコミュニティの重要性が高まるでしょうね。ただ、いきなり「災害時に備えてコミュニティを作りましょう」と言われても難しい面があるかもしれません。
「ドコノコ」はペット用のSNSとしての機能を持たせて、普段はペットの写真をシェアしたり、他のペットのアカウントをフォローしながら、動物を介して人同志がゆるく自然な形でつながれるようにしています。

LE:日頃から楽しみながら、コミュニティが作れる仕組みが素晴らしいですね。ペットを飼っている友人に是非勧めたいです。

itoi_column_photo_01

LE:ゆーないとさんにとって、動物と暮らすことはどのような意味を持ちますか?

ゆーないと:動物は、毎日気張らず、ただ一生懸命に日々を生きています。そしてとても自然体ですね。その姿に学ぶことは多いです。

itoi_column_photo_05

LE:1日1日を大事に生きることの尊さを、教えてくれているんですね。

itoi_column_photo_04

ゆーないと:人が普段は忘れてしまっている、基本的なものかもしれませんね。それに、日々変化していくのも面白いです。
ミッツは本当に警戒心が強くて、最初は押入れの中にこもっていたのですが、牛が来てから徐々に外に出てくる機会が増えました。この1,2年でようやくソファに乗るようになり、今ではお客様がいらっしゃると、ゆっくりではありますが様子を見に出てくることもあるんです。

LE:ミッツちゃんもドライなようで、ちゃんと牛ちゃんの影響を受けて、変化をしているんですね。

ゆーないと:
もう5年飼っていますが、未だに変化しています。これからも2匹がどのような変化を見せてくれるか、楽しみです。

itoi_column_photo_03


ゆーないとさん Profile
ほぼ日刊イトイ新聞 乗組員。「ほぼ日」が創刊された1998年6月から、毎週連載を開始。〈ぼーっとした女子高生通信〉からスタートし〈ぼーっとした青春〉を経て、現在は〈ぼーっとしたミーハー通信。〉として、猫や日常の出来事を週に1回執筆中。イラストを描いたり、商品開発など、「ほぼ日」内でいろいろ担当。

LINEで送る
Pocket