はじめに

日本では、5軒に1軒が犬や猫と行ったペットを飼育していると言われています。2014年のペットフード工業界の全国と調査では、犬で1034万頭、猫が995万頭となっていますが、猫はもっと多いだろうとも言われています。

私達は、古くから犬や猫と寄り添い、その存在は身近でした。日本ではなんと縄文時代から犬を飼育していたという研究もあります。

飼育スタイルについて、一昔前は「犬は外でつないで飼う」「猫は出入り自由に飼う」というイメージがありましたが、今や都会暮らし・マンション暮らしがメジャーになり、室内で飼育する家庭が増えています。

今や、犬の室内飼育は郊外でも当たりまえです。人との心の交流をしやすくし、人と暮らすうえでのマナーやルールを学ぶという観点では、室内飼育は効果的で理にかなっています。

猫においては、都心では交通事故の被害は甚大であり、猫だけに発症するFIV(いわゆる猫エイズウィルス)・FeLV(猫白血病ウィルス)などの不治の伝染病などの危険から守るために、猫の「完全室内飼育」が推奨されています。

猫の「完全室内飼育」とは、家からは自由に出さない、という飼育方法です。

室内での飼育が、犬や猫にも望ましいとはいっても、日本の限られた住空間の中でストレスなく過ごせる環境を整えるには、人の知識と工夫が大切です。

今回は、ヒトもペットも楽しく快適に暮らせる、理想の空間づくりについてお伝えします。

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単なる擬人化になっていませんか?

飼い主にとって、ペットはまるで我が子のような存在。

「うちのコが喜ぶだろう」と特別なスペースを用意したり、猫用・犬用の通路や窓を工夫するのは、純粋な愛情からだろうと感じます。

ただ、他の動物と比べて、人と関わろうとしてくることや喜怒哀楽の様子を見せてくれるのでウッカリ誤解しがちですが、彼らは人間とは生理生態がちがいます。それにより、理解の仕方や価値観、行動が変わってくるものです。

動物たちの福祉の観点から、家族としての共通の価値観を大切にしながらも、違いを尊重するべきです。
飼い主が一方的にペットを擬人化して空間を作りこんでも、受け取るペット側の行動や常識に合っていないと、かえってストレスを与えてしまう可能性もあります。

また、「犬はこういうものだから」「猫はこれを喜ぶものだから」と単一のパターンにはめてしまうのも危険です。
ヒトに個性があるように、犬・猫にもそれぞれの個性があります。
動物の個性や、それぞれの家庭に合ったルールやスタイルで、お互いに心が通う暮らし方を工夫することが大切です。

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金巻とも子

金巻とも子

一級建築士且つ、家庭動物住環境研究家という肩書を持ち、ペットではなく「家族」であるための住まいデザインを提唱。関連著書も多数出版。住宅コンサルティングから商品企画までこなすプロフェッショナル。 かねまき・こくぼ空間工房代表。