ネコリパブリックは、猫とおしゃれで素敵なライフスタイルを提案しながら、「里親探し」も行なっています。譲渡する側、それを受け入れる側にはそれぞれの思いやストーリーがあります。河瀬さんが感じる思いとは?(ネコリパブリック東京中野店にて)。
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河瀬麻花さん(以下 河瀬):白吉おいで~! 白吉~! この子は巨大なんですよ~(笑)

LEONIMAL(以下 LE):本当、おおきい!

河瀬:つい先日、2匹卒業したばかりで。里親が決まって譲渡されると「卒業」なんです。今回の方は、里親になると決まってから受け入れるまで毎日来てくれて。最初は1匹を引き取る予定だったんですけど、通っているうちに、仲良しのもう1匹の子も一緒に引き取ってくださることになって。だから壁にある、あの2つの黒い部分は、卒業を意味しているんです。「幸せな黒」なんですよ。
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LE:保護猫はどこから受け入れているんですか?

河瀬:提携しているボランティアさんや団体からです。この中野店は、猫エイズウイルスキャリアの子を専門にしているので、譲渡が決まりにくいんですね。エイズって聞くと怖いイメージがあるから、私たちは「りんご猫」って呼んでるんですけど。発病しなければ普通の子と一緒で。猫はあんまり発病しないんです。だから寿命を全うする子がほとんどなんです。

LE:そうなんですね。よく知らないと怖いイメージがありますよね。

河瀬:ええ、だからりんご猫の啓蒙活動もしていきたいんです。何かその子だけ隔離すると特別になっちゃうから、いっそここにいる子は全員りんご猫っていう、かなり挑戦的な店で。りんご猫公爵の領地のおうちなので、公爵っぽいインテリアにしてます。

LE:各店舗がそれぞれのリパブリック(国)というコンセプトですよね。

河瀬:そうなんです。今は、第三代大統領選挙をやっているところです。出馬ならぬ、出猫(しゅつねこ)した猫たちのポストカードを販売して、販売数1位の猫が大統領になるという選挙制なんです。ちなみに私は首相で、スタッフは内閣、ミーティングは閣議って呼んでます(笑)。
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LE:これまでたくさんの猫と過ごしてきたと思いますが、一番印象に残っているエピソードを教えていただけますか?

河瀬:本当に猫を切らしたことがないので(笑)、ひとつには絞れないですけど。子供の頃、チビタという名前のシャムミックスを飼っていて、田舎だったので外飼いしていたんです。それがどこかでケンカしてきたことが原因で、病気にかかって7歳で死んでしまって。あのとき室内飼いをしていたら、もっと長く一緒にいられたのにって、今でも思い出します。だから悲しい思いをする人が少なくなるように、室内飼いの大切さを伝えていきたいんですよね。あと、もうひとつ、ネコリパの話もいいですか?

LE:はい。やっぱり猫ちゃんのエピソードは尽きないですね(笑)。

河瀬:ネコリパに20歳のトラコっていう子がいたんです。その子には年配の飼い主さんがいたんですけど、引っ越し先で飼えないという理由で、保健所に持ち込まれました。

LE:うーん、いろいろな理由があるんですね。

河瀬:それでボランティアさんが20歳で殺処分なんてと言って引き取って、ネコリパに来たんですが、その後だんだん弱ってしまって・・・・・・。でも、ある日おいしいご飯を見つけてから、すごい食欲旺盛になって元気になっていったんです! それが嬉しくてネコリパで発行している新聞『ネコリペーパー』に記事を書いたら、東京の読者の方がわざわざ岐阜まで来て「トラコの最期を看取りたい」と連れて帰ってくれたんです。譲渡してから1年も一緒に過ごして、本当に最期まで看取ってもらえて! こうして猫1匹1匹の生活にもそれぞれバックストーリーがあるんです。それをきちんと皆様に発信できるようにしていきたいですね。


猫それぞれに個性も違えば、バックストーリーも様々。ネコリパブリックにやってくるまで、そして卒業してからの猫たちの歩みを語る河瀬さんの深い愛情を感じました。
次回最終回は命の大切さを伝え続ける、河瀬さんのご活動にかける想いとこれからの展望についてお届けします。

河瀬 麻花(かわせ あさか)さん
自走型保護猫カフェ「ネコリパブリック」首相。
2022年2月22日までに日本の猫の殺処分数をゼロにすることを目指し、猫カフェで保護猫の里親探しを行ないながら、猫と人との新しいライフスタイルを提案している。ネコリパブリックは全国に7店舗(岐阜店・大阪心斎橋店・東京お茶の水店・中野店・池袋店・愛知江南店・広島店)を展開中。

ネコリパ本、好評発売中!!
『ネコリパブリック式楽しい猫助け』

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277936/

出版社: 河出書房新社
著 者:河瀬麻花
定 価:1,400円+税
すべての猫に安心して眠れる場所とお腹いっぱいになれる幸せを与えるために…。2022年2月22日までに猫の殺処分ゼロを目指す楽しくて新しい“自走型保護猫カフェ”とは? 猫を愛するすべての人に知ってほしい、あなたにもできる猫助け本です。

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