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愛知県の中でもたくさんの地域を管轄する「愛知県動物保護管理センター」。本所の他に3支所、尾張支所、知多支所、東三河支所を設け、動物の保護・管理・譲渡など様々な取り組みを行なっています。今回、LEONIMALは愛知県動物保護管理センターにお話を伺ってきました。様々な背景から捕獲・持ち込みされた動物たちと直に接し、動物と人とのあり方について常に現実と向き合っている、まさにいのちの現場です。全6回に渡り、センターに入ってくる動物たちの現実や、センターが不幸な境遇におかれる動物たちを減らすべく取り組んでいることをインタビュー形式でお届けしてまいります。第4回目は、動物たちのいのちを救いたいという想いのもと、愛護団体さんとセンターで取り組んでいることについてお伝えします。


LEONIMAL(以下:LE):愛護団体との接点は非常に多いのではないかという印象を持ったのですけども、連携にいたる経緯ですとか、ともに活動していく中で、良い効果が生まれていましたら教えてください。

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愛知県動物保護管理センター(以下:センター):私どもで一番、愛護団体さんと取り組んでいるのは、幼稚園とか保育園の子どもさんたちと動物との「ふれあい教室」です。愛護団体さんの飼っている犬を連れてきていただいて、子供さんたちにふれあってもらって、命の大切さを教えていく活動です。
また、地域猫活動についてはうちでも推進をしていますが、マンパワーも足りないですし、色々な欠落している部分があるので、地域猫活動をやられている愛護団体さんと共同しながら、面倒をみてもらっているというのが現実です。
それと譲渡ですね。猫にしても犬にしてもかわいそうな動物に新しい里親を探していく上では、どうしても愛護団体さんの力が必要になってきますので、色々ご協力いただいていますね。

aichiken_doubutsu_091※愛知県動物保護管理センターには動物ふれあい広場が併設されている。

LE:こちらで実施されている譲渡会、譲渡前講習会とは別で、愛護団体さんが主催されているものもあるのですよね。

センター:はい。うちでは一般の方に譲渡するということは可能ですけど、例えば他府県のところへ譲渡しようと思うと、行政が違う行政区に対してやるわけにはいきません。愛護団体さんは全国に拠点を通じて譲渡先を探していただけるので、そういう面を含めて愛護団体さんにお願いをしているケースは多々あります。

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LE:その場合には、基本的には団体に譲渡をするということですね。譲渡協力団体とは、契約書などを交わしてやっていらっしゃるということですか。

センター:契約書ではなく、登録をしていただいて、具体的にお受けいただける内容を明らかにした上で、お願いをしています。

LE:例えば、一般譲渡にちょっと向かない、手が掛かる子に関して、センターの職員の方も、担当の団体さんと「こういう子入ってるんですけど」みたいな相談もしているということですか。

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センター:私どもから「こういうわんちゃんがいるけど、なんとかそちらで受入は可能でしょうか?」というお願いは、愛護団体さんへの無理強いになってしまわないよう注意が必要です。団体への譲渡が良いと勧めていただける場合は、お願いをしています。

LE:こちらで譲渡されているわんちゃんたちは、基準をクリアされていると思うのですが、愛護団体さんに譲渡されるのはここで譲渡できる状態ではなくて、殺処分の対象になっているケースがあるということですか。

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センター:そうなります。高齢になっているけれども、性格的にいい子だし、と、里親を探している場合、一般にはちょっとお願いできないけれど、団体さんのほうで引き受けてもらえる当てがあるのか、探すまでの間預かっていただけるのか等、ご相談している現状ですね。

LE:病気の子とかでも、団体さんによっては引き受けてくれますか。

センター:ええ、引き受けてくれる団体さんもいらっしゃいます。私どもも、どことは言えないですが、例えば、事故で片足を失っていたり、病状が深刻であっても「うちで見取ってもいいから、引き取りますよ」と言ってくれる団体さんもあります。

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LE:そうすると愛知県の譲渡率が上がってきている背景には、愛護団体さんのご協力も大きく貢献しているということですか。

センター:そうです。当然、愛護団体さんのほうも病気や弱っているということを分かった上で引き取っていただくケースも多いですし、センターのできないところもかなりサポートしていただいているので、愛護団体さんには本当に感謝しています。

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第一回「なぜ、たくさんの動物が保護・収容されるの?」
第二回「不幸ないのちを生まないために」
第三回「譲渡数を増やすよりも、苦境におかれる動物を減らすほうが大切。」
第四回「なんとか少しでも生かしてあげたい。愛護団体に支えられて。」
第五回「保護動物を家族に迎え入れるにあたって。」
第六回「災害時に大切なペットを守るために。」


写真:服部たかやす
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PROFILE
1970年愛知県生まれ。写真家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。独学で写真を学び、雑誌専属カメラマンを経て、写真家として活動を開始。“人”を中心に、土地、文化、歴史、自然を重層的に捉えて撮影するスタイルで作品を製作。ドキュメンタリー的な視点を持ちつつ、フォトグラフィー、アート、デザインの間を往還する写真を撮り続けている。01年、動物愛護センターに集められ、譲渡を待つ子犬をテーマにした写真集『ただのいぬ。』(PIE BOOKS&角川文庫)を発表。05年、世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催された写真展「ただのいぬ。展」は入場者5,000人を数え大きな反響を呼んだ。著書に『Do you have a home?』(ジュリアン)、共著に『写真以上、写真未満』(翔泳社)等。保護犬の存在を通じて犬と人との関係を考えるアートプロジェクト、「ただのいぬ。プロジェクト」の主宰。

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